説明
目次
自 序(中村 幸弘)
Ⅰ 中古和文と『徒然草』
[1] 連語「さるものにて」
[2] 題述文「…は…こそあれ」と、その漸移・変移
[3] 『徒然草』コソ係結文の構造
Ⅱ 訓読文の句法と句読
[1] 訓読文の連語「ずんばあらず」
[2] 日本国憲法の「は」と、その構文
[3] 『徒然草』の句読
Ⅲ 不定語・疑問文・否定詞(?)に関連する表現
[1] 不定語に続く命令形―どこへ行けというのか―
[2] 否定疑問文と、その応答詞
[3] 鷗外独創の文構造―『舞姫』『即興詩人』に見る「…、あらず、…。」―
Ⅳ 学校文法と文の成分
[1] 検定教科書の文の成分
[2] 否定されつづける学校文法
[3] 去来する連体修飾語
Ⅴ 動詞「す」「する」と、その文構造
[1] 『源氏物語』に見るヲ格+ニ格に付く動詞「す」
[2] 他動詞「す」の和語の賓語
[3] 『古事記』訓読文の指定表現「…と為(て)」
[4] 『古事記』訓読文に見る他動詞「す」のヲ格賓語のヲ格表出・非表出
[5] 連体修飾語を必須とする「さま」「心地」などと、その述語自動詞「す」
[6] 『古今和歌集』歌に見る「…とす」などの陳述の機能
[7] サ変複合動詞「~する」の時代―連体修飾語としての「欲望する」「塑する」「キャラ化する」―
Ⅵ 動作主体の人称と「むとす」
[1] 動作主体の人称と「むとす」の意志の有無
[2] 第三人称主体「〈…む〉とす」表現の読解―その「む」の多くを意志と認識するのは共同幻想か―
[3] 『古事記』訓読文の「むとす」と補読の「たまふ」とから
[4] 無意志主体「(よ)うとする」の用例と読解
Ⅶ 現代人がそう読んでしまうのか
[1] 該当する単語が特定できないのに、可能の意が読みとれてしまう表現
[2] 主観的情意提示の擬似連用成分
引用・参照文献一覧
初出一覧
あとがき(碁石 雅利)
老耄の日々(中村 幸弘)