説明
目次
序 保田與重郎の東京裁判批判―問題の所在
Ⅰ 徳富蘇峰の「国民」観念―明治維新と昭和の戦争
はじめに
満州事変への関心
「八紘為宇」の行方
天皇制とアジア主義
Ⅱ 松井石根の大亜細亜主義―「同胞」と「皇国民」
はじめに
松井石根と東京裁判
満州事変以前における松井の中国分析
満州事変の世界史的立場
宇都宮太郎と松井石根
満州事変から日支事変へ
「亜細亜的精神」の問題圏
南京事件
Ⅲ 大川周明の「三国意識」―アジアの解放と文化主義
はじめに
東条英機宛書簡をめぐる応答
維新の精神
アジアとの連帯
イスラム教への傾斜
Ⅳ 竹山道雄のファシズム論―近代文明の光と影
はじめに
「文明」の裁きへの疑念
ハイド氏のファシズム
竹山の反戦平和思想
Ⅴ 堀田善衛と南京事件―『時間』における歴史と実存の往還
はじめに
東京裁判との交錯
マギー証言との距離
反美学としての『時間』
歴史と実存
アンガージュの輻輳性
Ⅵ 阿川弘之が語る開戦への道程―『米内光政』と東京裁判史観の死角
はじめに
米内光政の中国認識
日支事変への道程
米内の開戦責任
三国同盟
海軍の功利主義
あとがき―坂口安吾のまなざし