説明
目次
はじめに―『日本書紀』をめぐる二つの特性―
一、『日本書紀』と漢籍の文脈比較
本章の概要
1 鑑の史書―『日本書紀』「雄略紀」と『隋書』「高祖紀」の比較から―
2 「霊畤」をめぐる〈変成〉―『日本書紀』「神武紀」の「郊祀」記事から―
ここまでの小結
二、「易姓革命」と『日本書紀』
本章の概要
1 「仁徳紀」先行研究の問題点
2 「鷦鷯」という名の天皇―鳥名と易姓革命―
3 聖帝の世で、鹿が見た夢
ここまでの小結
三、「陰陽論」と『日本書紀』
本章の概要
1 「日神=姉」の陰陽論―『日本書紀』「神代紀」の思考―
2 『日本書紀』「神代紀」における「注の注」の機能について
3 「皇極紀」「斉明紀」における歴史叙述の方法―災異祥瑞記事を中心として―
4 「白燕」からみる天智称讃の方法―知識と技術から天意を読む治世―
ここまでの小結
四、「崇神紀」全体の読解―「中国よりも上位の「日本」」へ―
本章の概要
1 『日本書紀』「崇神紀」における「撃刀」の典拠―異民族に強い将軍の故事を想起させるもの―
2 『日本書紀』「崇神紀」が語る祭祀の「歴史」―「崇神紀」と「成帝紀」の比較―
3 『日本書紀』「崇神紀」における「箸墓伝承」の位置づけ―君臣一体の理想的祭祀実現の「歴史」―
ここまでの小結
五、『日本書紀』全体の作品論―その可能性へ―
本章の概要
『日本書紀』「天皇紀」の「注」を読む―「帝国/蕃国」としての「日本」―
補論―『古事記』論と『風土記』論―
補論の概要
1 「日下」をめぐる神話的思考―『古事記』序文の対句表現から―
2 イスケヨリヒメの聖性―「矢」字の、八世紀的な意義から―
3 『豊後国風土記』直入郡球覃郷「臭泉」の水神―漢籍の知と神話的思考の融合―
4 「餅の的」と連想―『豊後国風土記』田野条の読解を通して―
初出一覧
あとがき
索 引