説明
目次
はじめに(伊藤 禎子)
昭和一〇年代 廃墟と構築
◆「朝倉」(昭和一九年七月)
「朝倉」論―三島文学の〈原郷〉をたずねて(横溝 博)
◆「菖蒲前」(昭和二〇年一〇月)
三島由紀夫「菖蒲前」における空虚な中心としての〈恋愛〉―ミソジニーと異類婚姻譚とアダプテーションと(高木 信)
昭和二〇年代 性と再生
◆「翼」(昭和二六年五月)
「翼」―〈かぐや姫〉たちの物語(千野 裕子)
◆『夏子の冒険』(昭和二六年八月~一一月)
「夏子の部屋」の扉をたたく―『羊をめぐる冒険』と遭遇する『夏子の冒険』(助川 幸逸郎)
◆『禁色』(昭和二六年一月~二八年八月)
戦後小説として『禁色』を読む(木村 朗子)
◆『恋の都』(昭和二八年八月~二九年七月)
『恋の都』における観念的な世界―『豊饒の海』へと続く特質と『浜松中納言物語』への評価(八島 由香)
昭和三〇年代 貴種と倒錯
◆『沈める滝』(昭和三〇年一月~四月)
流離を〈生きる〉ものたち―『沈める滝』と古典文学(伊藤 禎子)
◆『金閣寺』(昭和三一年一月~一〇月)
『金閣寺』の源氏柏木物語引用(神田 龍身)
◆『近代能楽集』(昭和二九年一月~三七年三月)
『近代能楽集』という不思議―「葵上」「熊野」そして「源氏供養」から(本橋 裕美)
昭和四〇年代 月と転生
◆『豊饒の海』(昭和四〇年九月~四六年一月)
『豊饒の海』聡子とかぐや姫たちの応答―天衣=尼衣と記憶(橋本 ゆかり)
『豊饒の海』第一巻「春の雪」における月の在り方(田島 文博)
〈禁忌〉と物語―三島由紀夫「豊饒の海」からの批評(鈴木 泰恵)
あとがき
執筆者紹介