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目次
はじめに
第一章 忘れられた待つこと
忘れられた待つこと
短歌県への「期待・希い・祈り」
「われのうまれし朝のさびしさ」若山牧水と母
待つことは生きること
恋は待つこと
待つことの讃歌
『古今和歌集』恋歌―【桑田佳祐『ほととぎす[杜鵑草]』】
クリスマスと待つこと
第二章 「身もこがれつつ」―『百人一首』の待つ恋
古典の中に「我(われ)」を見つける
『百人一首』の味わい方
『百人一首』のテーマ
「身もこがれつつ」藤原定家―題詠という方法
「有明の月を待ち出でつるかな」素性法師―和歌を舞台に演じる
「嘆きつつひとり寝る夜の」右大将道綱母―女流歌人の哀歌
「ながながし夜をひとりかも寝む」柿本人麻呂―待つことの音楽
第三章 「クリスマスだからじゃない」―一九八〇年代の恋人たちのクリスマス
恋人たちのクリスマス
「シンデレラエクスプレス」夢の新幹線
「雨は夜更け過ぎに 雪へと変わるだろう」―【山下達郎『クリスマス・イブ』】
難行苦行のスキーに興じる恋人たち
「となりのおしゃれなおねえさん」の恋―【松任谷由実『恋人がサンタクロース』】
絵本とサンタクロース
「そうよ 明日になれば」
そして桑田佳祐
八〇年代の恋を象徴する曲の数々
「メリー・クリスマス・ショー」―【桑田佳祐 & His Friends『Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない)』】
「いざ唇を君」若山牧水―くちづけ三首
「今年の想い出にすべて君がいる」
第四章 日本の恋歌とクリスマス―戦勝・狂瀾・家庭・恋人やがてクリぼっち
恋を過剰に意識させるクリスマス
「うら恋しさやかに恋と」若山牧水―恋のさざ波
「ひとり」から「ふたり」そしてまた「ひとり」
「恋愛」が発明された明治
誕生日とクリスマスと
日露戦争の勝利と狂瀾のクリスマス
「クリスマス飾り灯ともりて」木下利玄―大正期
忌日と奉祝とクリスマス
萩原朔太郎の羨望と違和感
凍結された八年間
聖夜の月
高度経済成長期からのホームクリスマス
家庭が娯楽の時代「8時だョ!全員集合」
再び八〇年代のクリスマス
近藤芳美歌集『聖夜の列』
「思い出が 波にゆれる」―【桑田佳祐『MERRY X’MAS IN SUMMER』】
バブル崩壊のちイルミネーションへ
「分裂家族」と「ゆがめる国」
「二度と帰らない誰かを待ってる」―【桑田佳祐『白い恋人達』】
ハロウィン狂瀾やがてクリぼっち
第五章 短歌県みやざきに詠う―「永遠を待つ」
住む場所は生きること
つながる縁
みやざきの縁・早稲田の縁
短歌県への歩み
宮崎でこそ「待つこと」ができる
「胸の痛みを思って待とう」俵万智
伊藤一彦歌集『待ち時間』―「永遠を待つ」みやざきの心
最終章 「さよならは永遠の旅」―待つことの愉悦
「なにゆゑに旅に出づるや」牧水の問い
「かなしみどもにうち追はれつつ」牧水の孤独
「さよならは永遠の旅」―【桑田佳祐『JOURNEY』】
「あくがれて行く」牧水の旅
「季節は過ぎ」ゆえに待つことの愉悦
参考文献一覧
あとがき